結論から言ってしまうと、マクスウェル方程式(たった4本の式)を使いこなせれば、高校電磁気はおおよそクリアできます。
ところが、ほとんどの受験生はこんな状態です——
「クーロンの法則、ガウスの法則、右ねじの法則、フレミング左手の法則、レンツの法則……」
電磁気の法則を、一つひとつ別々の現象だと思って、なんとなく丸暗記していませんか?
公式を覚えたつもりでも、設定が少し変わるだけで手が止まる——それは、これらが本来「同じ原理(マクスウェル方程式)の異なる現れ」であることが見えていないからです。逆向きに眺めれば、クーロンの法則も、コンデンサも、電磁誘導も、交流回路も、一本の筋でつながって見えてきます。
この「一気通貫の理解」を高校物理の範囲で、しかも大学受験で戦える形にまとめ直したのが、本書『微積で考える高校物理 電磁気編』です。
こんな方に届けたい本です
- 公式暗記型の電磁気に挫折した、高校生・浪人生
- 東大・京大・医学部など、難関大対策で電磁気を得点源にしたい人
- 高校物理を数式の言葉で、もう一度学び直したい大学生・社会人
『新物理入門』という名著の、ひとつ手前に
微積で物理を学ぶ参考書といえば、まず思い浮かぶのが駿台『新物理入門』。微積物理の世界をひらいた不朽の名著であり、私自身も大きな影響を受けた一冊です。
ただ、初めて手に取った受験生から「数式の濃度に圧倒されて、最初の数十ページで止まってしまった」という声を聞くのも事実。本書は、その名著にたどり着くための一段として、微積を使いながらも一行一行の式変形を言葉で補い、ゼロから組み立て直すことを目指しました。
ちなみに『微積で』とタイトルに掲げてはいますが、正確に言えば、実際に道具として使うのはベクトル・微分積分・三角関数・テイラー展開といった数学全般です。受験生の間で「微積物理」という呼び方が定着しているので、その看板を借りた——というのが正直なところ。必要な数学はすべて巻末付録でゼロから復習できるので、行き詰まったらすぐに戻れる設計にしています。
第1章から第11章までの「物語」
- 第1章 クーロンの法則・電場・電位
すべては「電荷から出る力」から始まる。電場と電位という”見えない量”で世界を記述する発想を身につける。 - 第2章 ガウスの法則
対称性を使って、複雑そうな電場を一気に決める強力な道具。 - 第3章 コンデンサ
電場そのものにエネルギーが蓄えられる、という見方を獲得する。 - 第4章 電流と回路
オームの法則・キルヒホッフの法則を、暗記ではなく根っこから理解する。 - 第5章 磁場
ビオ・サバール則とアンペールの法則で、磁場を自分の手で計算できるようになる。 - 第6章 電流が磁場から受ける力
ローレンツ力とアンペール力。「フレミング左手」を式で導けるようにする。 - 第7章 荷電粒子の運動とホール効果
サイクロトロン運動とホール電圧。入試頻出テーマを微積で解く。 - 第8章 電磁誘導
磁束の変化が電場を生む——ファラデーの法則を、レンツの法則と一本化する。 - 第9章 コイルと磁気エネルギー
自己/相互インダクタンスとLC回路。電場と磁場の間をエネルギーが行き来する様子を追う。 - 第10章 交流回路
インピーダンスと共振を、微積の視点から一望する。 - 第11章 Maxwell の方程式と電磁波
4本の式から電磁波の存在が導かれ、光の正体が立ち上がる、本書の到達点。
最終章では、「なぜ光は光速で進むのか」が、自分の手で導いた式から立ち上がってきます。高校物理と大学物理の橋渡しとして、その先に待っている相対性理論・量子力学への接続もぐっとスムーズになるはずです。
Kindle版・ペーパーバック版ともに、Amazonにて発売中です。


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